登山してると見かける青いチューブをぶら下げた人達。あれってなんだろう?
今回はそんな青いチューブの正体、ハイドレーションシステムについて紹介します。
登山で活躍!ハイドレーション
ハイドレーションシステムとは
チューブの伸びた専用袋に水を入れ、それをザック(リュック)に入れることで行動中でも飲めるようにする仕組みを指します。登山家やトレランでよく見かけますが、ロードバイクで使ってる人もいます。また、ラリーや軍隊でも採用されるなど、利便性のかなり高い給水システムです。
このホース先端を噛む(吸う)ことで水が出てきます。ハイドレーションが有るのと無いのでは疲れ方が全然違うので、バテやすい人ほど勧めたいアイテムです。
ハイドレーションのメリット
- こまめに給水できるので、バテにくくなる・足をつりにくくなる
- 給水のたびに止まる必要がない
- ザックを下ろすことなく給水できる
- 見た目がカッコいいw
ハイドレーションの最大のメリットはバテにくくなる、です。足を停めて給水する場合、ザックをおろす手間がある分よぶんに水分補給しがちです。
水を多く飲むより小まめに水分補給する方がバテにくいので、いつでも気軽に給水できるハイドレーションを使うことでバテにくい登山が可能となります。
ハイドレーションのデメリット
- カビが生える場合がある
- 製品によってはゴム臭い
- 水の残量がわからない
- 値段がそこそこする
ハイドレーションの致命的な弱点が手入れしにくい、です。細い袋状の水筒なので、洗った後に水が乾燥しにくく、そのため適切な手入れをしないとカビが生えやすくなります。
また、ザックの中に入れて使うため、水がどのくらい残ってるのかわかりません。が、これは経験で「そろそろかな?」と感覚でわかります。何度も山で使いましょう、自分の消費量がわかってきます。
ハイドレーションの使い方
ハイドレーションに水を入れる
水がパンパンだとザックに入れにくいので満タンは避けましょう。この時、空気が入っても気にする必要はありません。
袋の空気を吸いだす
ここが大切なポイントです。
ホースを吸って空気を取り除きます。
ハイドレーションを傾けて、空気をホース側へ移動させましょう。ホースを吸って空気を無くせば準備完了です。
ザックに水滴マークがあるか確認
ザックに水滴マークがあれば、そこはハイドレーションを格納する専用スペースです。その上部にハイドレーションをぶら下げるフックがあれば、そこにハイドレーションをぶら下げることができます。
フックがない場合は自分で工夫してパーツをつけましょう。フックなしでも使えますが、登山中ハイドレーションが揺れて安定せず倒れる場合があります。
お手入れ・洗い方について
ハイドレーションは袋部分とホース部分、蓋パーツに分離できます。袋部分は手を入れてスポンジで優しく洗い、蓋を開いた状態で乾燥させましょう。この乾燥を怠るとカビが生えやすくなります。
(汚れがある・スポーツドリンクを入れた場合は中性洗剤で洗い流す)
水よりお湯で洗う方が乾燥しやすいです。また、裏返せるタイプもあるので、そちらを選ぶのも手ですね。裏返せないタイプは扇風機を使って強制的に乾燥させましょう。(僕は除湿機の風で乾かしてます)
袋がどうしても閉じてしまう場合は、針金ハンガーを折り曲げて無理やり開けてやりましょう。針金ハンガーは接地面が少なく、なにより金がかかりませんw
ホースは口を摘みながら水を注いで内部を水洗いします。こちらもお湯洗いで洗いましょう。そして洗った後は冷凍庫で保管するとカビを防げるので便利です。
清潔なビニール袋に入れてから冷凍庫に入れましょう。冷凍庫の匂いが移ってしまいますが、使用前に1度すすげば大丈夫です。
このような専用クリーニングキットを使うのも有効。
ハイドレーション専用なので、ホース内を清潔に掃除できます。乾燥用ハンガーが付属してるタイプもあるので、好みで選びましょう。
ハイドレーションの中身は水一択
ハイドレーションは乾燥しづらく、雑菌が湧きやすい環境です。なので糖分の多いジュースを入れると雑菌が繁殖しまくるので避けた方が無難です。
ホース接合部など細かいパーツは洗浄しづらいので、洗い残しから雑菌の温床となる可能性があります。
ハイドレーションの中身は水!
(ちなみにお茶は利尿作用があるので問題外)
ハイドレーションがぬるい問題
ハイドレーションを担いで登山してると背中の熱が伝わって水がぬるくなります。夏場はもう地獄、お湯を飲んでるようなものです。
この熱をシャットアウトする方法ですが、銀マットがオススメです。
キャンプ用の安い銀マットを用意し、ハイドレーションのサイズに合わせてカットします。それをハイドレーションと背中の間にくるようセットすれば、背中の熱がハイドレーションに伝わらずお湯になりません。
銀マットには他の利点もあります。
水を入れて膨らんだハイドレーションをザックに挿れるのは至難の技。そんな時にこの銀マットがあれば、スルスルと滑るようにザックへ挿れることができます。
登山用の座布団でも同じことが可能ですが、凸凹してるので少々かさ張るのがネックですね。休憩時に座布団として使うこともできるので、手持ちで座布団がある方はまずそちらで試してみてください。
サイズは2.0Lか3.0Lか
さて、ハイドレーションを買うにあたり必ずぶつかるのがサイズの問題です。ズバリ、サイズは2Lか3Lか?
基本的に2Lをオススメします。
まず、登山の道中に水場があるのなら迷わず2Lです。また、1時間〜2時間程度の登山も2Lで良いでしょう。これが3時間以上の登山であれば3Lが役立ちます。炎天下の場合も3Lあれば心強いです。3Lはかなりズッシリきますが、3時間の登山を行えるレベルなら大丈夫でしょう。
- 初心者が買うなら2Lがおすすめ
- 水場がある登山なら2L(補充は面倒だけど)
- 2時間ほどの登山なら2L
- 3時間以上の登山なら3L(かなり重い)
- 炎天下なら3Lでも良い
- 3Lは重いので体力ある人向け
- 3Lはザックに入れにくい
ハイドレーションの注意点
頑丈な素材で作られてるハイドレーション、かなりの圧力で踏まれても破裂しないタイプもあります。しかし所詮は袋なので取り扱いに気をつけましょう。
鋭利な物で傷つけない
ザックには色んな道具が入ってると思います。ナイフ、バーナー、ハサミ等がハイドレーションを傷つけないよう注意しましょう。
ザックに入れる場合はホースの抜けに気をつける
これは僕が友達の車内でやってしまったヘマです。3Lのハイドレーションを無理やり入れようとしてホースが抜けました。そこから水がドップドプ出てしまい、友達のシートが水浸しに。。。
満パンのザックには入れにくい
ハイドレーションは先に入れたほうが楽です。物がギューギューに詰まったザックに入れるのは至難の技。入れる順番を考えていきましょう。
冬は凍結に注意
雪山でハイドレーションを使用するとホースが凍り、飲めなくなる場合があります。そのため凍結防止カバーでホースを保護するか、ザック自体に凍結防止カバーが付属してるタイプを使用しましょう。
こちらのキャンバー42は冬山用のザックで、肩紐の中にホースを収納できるデザインになってます。このように冬山用ザックによっては凍結を防止するタイプもあるので、自分の登山スタイルと合ったものを選びましょう。
こちらは凍結防止用のカバー。
おすすめハイドレーション
キャメルバック クラックス リザーバー
蓋は真っ直ぐに閉めないと漏れるぜよ
メーカー:Camelbak
プラティパス ビッグジップLP
使うなら安心素材がいいよね
メーカー:Platypus
ハイドラパック シェープシフト
数少ない裏返しで洗えるタイプ!
オスプレー レザヴォア
オスプレーのザックならミラクルフィット!それ以外のザックでも使用可だよ
メーカー:オスプレー
キャメルバック アンボトル
もちろんザックの中に入れてもいいよ!
メーカー:Camelbak
ガイガーリグ ハイドレーション エンジン
傷口を洗う、食器をすすぐ、他人に給水など可能!
メーカー:ガイガーリグ ジャパン
ハイドレーションと予備ボトルを持とう
ハイドレーションを使うことでバテにくい登山が可能になります。しかし、残りの水量がわかりにくいため、必ず予備の水も携帯しましょう。最後の保険となる水分です。
暑い日は特に減りが早いので、うっかり全部飲み干して「水がない!」という状況にならないよう気をつけましょう。
隊長でした、ほんだば!