あぁ、アニメって最高だ。アニメの世界に行きたい。
若い頃、主人公は僕だった。
登山して山頂からの景色を見て楽しんで。女の子とコンパして遊びに誘って。友達とキャンプして温泉浸かって焚き火しながらチビチビ飲んで。
自由を謳歌して世界を楽しんだ。
何か楽しいことがないかと追い求めていたものだ。
それが今はどうか。
主人公か?と聞かれたらNOと首を横に振る。
もう主人公としての僕は死んだのだ。モブキャラ、引退。
今の主人公は息子達だ。
まだ小さい子供だが、これから僕の通ったような道を進み、同じく苦悩し、遊び、恋愛し、自由を満喫し、世界の素晴らしさを知りながら羽ばたいていく。
その姿を見届けるために生きるモブキャラが僕だ。
アニメのようなワクワクはもうない。
山頂から見た素晴らしい景色、あの興奮はもうないだろう。夢を見て、天井を知らず、限界を考えてこなかった独身時代。それが今では現実の生活、可能な行動範囲、制約のある生活。
これが主人公を引退した自分の今。
でもそれが悪いかと言うとそうでもない。
これまで充分自由にさせてもらった。それは親のおかげだ。親からすれば邪魔で鬱陶しい息子だっただろうけど、親のおかげと知らずに有限な世界の中で自由を満喫していた。それはとても小さくワンパターンな自由だったと今なら思うが、そんな経験をさせてくれた親に感謝している。
次は僕の番だ。
退屈な生活、オシャレをしない生き方、すべては次の主人公のため。
彼らのストーリーが楽しく冒険に満ち溢れるよう休日を考える。どこで楽しんでもらおう、どんな景色を見てもらおう。そこで何を考え、何を印象強く記憶してもらえるだろうか。
将来大人になっても思い出せる遥か昔の記憶、思い出、懐かしい匂い、景色、親との生活、脳に深く刻み込んでもらえないだろうか。
これまで僕が蓄えた知識と景色、それらを経験することで受け取ってもらえないだろうか。
僕の主人公はもう終わっていた
いつ終わったのかはわからない。
忙殺の日々、気づけば選手交代、とっくに僕の現役は終わっていたのだ。
負け惜しみ、カッコつけから「まだ主人公でいたい!」なんてことは思わない。
もう恋愛もいいんだ、隣には嫁くんがいてくれる。彼女だけ喜ばせばいい。ドラクエのように天空の花嫁を探し続けた若かりし時代はもう終わったのだよ。
息子達の成長を見守る。
泣いて笑って、かんしゃく起こしてまた泣いて。
そうやって喜怒哀楽をストレートに表現して見せてくれる、この僕を楽しませてくれる。
モブキャラでも充分幸せだ。
そうそう、ネットを通じて友達もできたんだよ。
彼らはまだ現役の主人公だ。たまに眩しく思えるがみんな戦っているんだろう。ねぇ?
こんな僕だけどアニメはいい。アニメはいいねぇ。
リゼロのグッズを全部載せる!【RE:ゼロから始める異世界生活】 - たい焼き親子は空飛ぶ夢をみる
今ハマってるアニメこれです。
でもやっぱり主人公は僕じゃないので、アニメのように可愛い女の子とイベントが発生しても断るんだろうなぁ。
「ごめん。俺嫁子供いるから行けないわ帰るわ」
そんな感じ。
こんな事を嫁くんに話したら「アニメに浸りすぎだw」と笑われました。
えぇー?だってアニメっていいじゃん、アニメの世界で住みたいよ僕は。
嫁「君はオタクと何も変わらん。そのうち枕が変わってそう」
どーやら抱き枕の事を言ってるらしい(笑)
ははは、それもいいね。だってやっぱりアニメは最高で夢があって楽しい。こんな自分に夢を見させてくれる。
嫁「君はオタクや、TVに出てくるアニメオタクと何も変わらないw」
ふふふ、せっかくAmazonプライムで観れるアニメがあるんだ。たくさん観ておこう。
そんな事を考えながらこの記事を書いていると、子供達が見覚えのある物を持ってきた。
もしやと思ったら・・・
これお父さんのキーボードやんー!
やってくれるぜイタズラ息子。
僕と同じような事を繰り返す。
僕と同じような事を見守っていく。
モブキャラなのに、なかなか忙しい生活だぜ。ほんだば!